🌍🐾 世界の動物・昆虫ニュース — 2026.10.27
新種 2件 + 新知見 3件 = 計5件
🔬 新種発見 ― 2選
1.
からだが透けて、おなかの「空気の泡」まで見える ― ブラジル・タパジョス川から、同じ仲間で最大の透明ナマズ新種 Tridensimilis magnus
魚類(透明ナマズ Trichomycteridae)
ブラジル・タパジョス川流域(パラー州・マットグロッソ州)
2026
📷 Colares Canto et al. 2026 / Novataxa より | 生きた個体。矢印は飲み込んだ空気の泡(胃・腸)
アマゾン南部のタパジョス川の上・中流域から、からだが半透明のナマズの新種Tridensimilis magnusが記載された。仲間の亜科 Tridentinae は砂地にもぐる小さな魚で、この種は標準体長が最大34mmと、同じ亜科で知られる中で最大になる(ほかの属は17〜27mm)。眼は体の側面にあって下向きに付き、骨盤のひれの骨が正中線で癒合している点なども、近縁種と見分けるポイントだ。研究チームは同時に、属の分類の境界を見直し、Tridentopsis tocantinsiの属の帰属にも疑問を投げかけた。もうひとつの驚きは行動で、水槽で飼うと水面で空気を吸い込み、胃や腸に泡がたまる様子が観察された。Tridentinae でこの行動が記録されたのは初めてだ。タパジョス川流域の固有種がまた一つ増えたことになる。論文はNeotropical Ichthyology誌(DOI: 10.1590/1982-0224-2025-0209)。
2.
葉っぱのふりをするカマキリが、9800万年前の琥珀に ― 腹部に「イワヒバ風の葉」をつけた新属新種 Folimantis hyalinala
昆虫(カマキリ目)の化石
ミャンマー北部・カチン琥珀
2026
📷 Yang et al. 2026 / Novataxa より(復元画:Xiaoran Zuo) | Folimantis hyalinala と、擬態の相手のイワヒバ類(Selaginella)
ミャンマーのカチン琥珀(約9800万年前、白亜紀)から、腹部に葉の形をした張り出しをもつカマキリの新属新種Folimantis hyalinalaが報告された。この張り出しは、同じ琥珀に閉じ込められていたイワヒバ類(Selaginella)の栄養葉と、形・大きさ・並び方がよく似ており、植物に化ける「葉の擬態」だとみられる。カマキリと擬態相手の植物が同時代にそろって見つかった、いまのところ最古の直接証拠で、カマキリの系統の初期から植物の葉をまねる体の仕組みがあったことを示す。研究チームは化石昆虫と植物の擬態を整理し、被子植物が広がる前から、裸子植物、シダ、地衣類、イワヒバ類などをまねる擬態があり、その形は植物の移り変わりと並行して変わってきたと結論づけた。論文はNew Phytologist誌(DOI: 10.1111/nph.71619)。
🧠 既知種の新たな発見・知見 ― 3選
3.
クモにも「レム睡眠」のような段階があった ― 眼がぴくぴく動き、足がけいれんする、ジャンプグモ Portia fimbriata の眠り
クモ類(ハエトリグモ科)
ドイツ・ボン大学ほか
睡眠の進化
2026
📷 ScienceDaily / ボン大学の研究より | 実験に使われたハエトリグモの仲間 Portia fimbriata
ボン大学の研究チームは、ほかのクモを狩る名手として知られるオーストラリアのハエトリグモPortia fimbriata(成体で1ユーロ硬貨ほどの大きさ)を、赤外線カメラで何日も昼夜観察した。すると、眠りには2つのはっきり違う段階があり、そのひとつは、眼球の動きや筋肉のぴくつきを伴う、ヒトのレム睡眠に似た段階だった。また、音への反応を調べるテストや、眠りを邪魔したあとに睡眠を多くとる「睡眠のリバウンド」の確認によって、ただ動かないだけでなく、調節された本物の睡眠であることを裏づけた。脳活動は測れておらず、研究者は、夢を見ているかどうかはまだ言えないと強調している。ただ、神経系がまったく違う動物にも、睡眠の基本的な特徴の一部が共通する可能性が出てきた。論文はProceedings of the National Academy of Sciences誌。
🔗 https://www.sciencedaily.com/releases/2026/10/261026225555.htm
4.
体長10〜15m級 ― 4700万年前のインドにいた巨大ヘビ Vasuki indicus、「27個の背骨」から復元されたサイズ
爬虫類(マッツォイア科のヘビ)の化石
インド・グジャラート州カッチ
史上最大級のヘビ
2024(2026年に再注目)
📷 ScienceDaily / IITルールキーの研究より | Vasuki indicus の復元イメージ
インド工科大学ルールキー校のDebajit DattaとSunil Bajpaiは、グジャラート州カッチのパナンドロ褐炭鉱で見つかった、中期始新世(約4700万年前)のヘビの化石を調べ、新種Vasuki indicusとして記載した。材料は完全な成体の背骨27個で、椎骨の長さは37.5〜62.7mm、幅は62.4〜111.4mmと太く、丸太のような胴体を支えていたとみられる。現生のヘビの椎骨との比較から、全長は2通りの方法で約10.9〜12.2mと14.5〜15.2mと見積もられ、約13mとされるティタノボアに並ぶ史上最大級のヘビとなる。ただし、骨格は完全ではなく推定には不確かさが残る。グループは絶滅したマッツォイア科で、当時の温暖なインドで大陸間の分散が起きていたことをうかがわせる。論文はScientific Reports誌(2024年)。
🔗 https://www.sciencedaily.com/releases/2026/10/261014001406.htm
5.
ジンバブエの三畳紀恐竜は、「南アフリカの延長」ではなかった ― 2足歩行の新しい竜脚形類 Musango matusadonaensis
爬虫類(恐竜・竜脚形類)の化石
ジンバブエ・ニャマサンゴ川
恐竜相の地域固有性
2026
📷 ScienceDaily / 研究者による寄稿記事より | Musango matusadonaensis の復元
約2億1000万年前(後期三畳紀)のジンバブエから、新しい恐竜Musango matusadonaensisが報告された。のちにディプロドクスのような四足の巨大な竜脚類へつながる竜脚形類の仲間で、骨格は不完全ながら、後ろ脚だけで歩く二足歩行で、全長約4.5m、体重約220kgと見積もられた。骨の成長線から、亜成体で死んだとわかる。頭骨は見つかっておらず食性は不明だが、近縁種は主に植物食だった。最大の発見は、ジンバブエの恐竜が南アフリカの動物相の単なる延長ではなく、この地域に固有の種を含んでいたことだ。研究者は、環境条件の違いが理由ではないかとみて調べている。種名は発見場所のムサンゴ島にちなむ。
🔗 https://www.sciencedaily.com/releases/2026/10/261012185013.htm
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