🌍🐾 世界の動物・昆虫ニュース — 2026.08.30
新種 2件 + 新知見 3件 = 計5件
🔬 新種発見 ― 2選
1.
「ヤスデの山」は13度目も応えた ― タンザニア・ウズングワ山地から新種ヤスデ3種
多足類(ヤスデ) タンザニア 2026年
Wikimedia Commons | ※イメージ:同属種 Eviulisoma alluaudi。新種3種は本種と同じ属に属する
デンマーク自然史博物館のヘンリク・エングホフ博士らが、東アフリカの生物多様性ホットスポット「東弧山地」の一角ウズングワ山地から、ヤスデの新種3種 Eviulisoma zmuci、E. intricatum、E. brachyaspis を記載した。2014年から続く連作論文「A mountain of millipedes(ヤスデの山)」は本作で13本目。霧に包まれた孤立山塊は”ヤスデの宝庫”で、調査のたびに未知の種が見つかり続けている。論文は European Journal of Taxonomy に掲載。
🔗 https://europeanjournaloftaxonomy.eu/index.php/ejt/article/view/3318
2.
「山の巨人」あらわる ― 雲南省の標高2,790mから、属史上最大のスベトカゲ Scincella gigas
爬虫類(トカゲ科) 中国・雲南省 2026年
Wikimedia Commons | ※イメージ:同属種 Scincella lateralis(北米産)。スベトカゲ属は通常この写真のように小型
スベトカゲ属(Scincella)は体長数cmの小型トカゲばかりの地味な一族。ところが中国・大理の山地林で見つかった新種 Scincella gigas は、尾が再生途中にもかかわらず全長31.6cm超、頭胴長12.5cmという規格外サイズで、属最大記録を一気に塗り替えた。種小名はずばり「巨人」。ミトコンドリアDNAでも全既知種から大きく隔たっており、研究チームは「中国南西部の山地にはまだ未知のスベトカゲが眠っている」とみる。Zoosystematics and Evolution 誌に掲載。
🧠 既知種の新たな発見・知見 ― 3選
3.
巣がカビに冒されたら「薬入りの蜜」を選ぶ ― マルハナバチに自己治療のヒント
行動学・自己治療 ベルギー 2026年
Wikimedia Commons | 花で吸蜜するセイヨウオオマルハナバチ(Bombus terrestris)の女王
KUルーヴェンなどの研究チームは「ロボット花」を使い、セイヨウオオマルハナバチのコロニーに普通の砂糖水と、抗菌作用をもつ天然化合物ケルセチン入りの蜜を自由に選ばせた。幼虫を殺すチョークブルード病菌に曝露されたコロニーだけが、日を追うごとにケルセチン入りの花への訪問と滞在時間を増やしたのだ。健康なコロニーや、成虫の腸に感染する細菌に曝露されたコロニーでは変化なし。働きバチ自身ではなく幼虫を守る「社会的投薬」の可能性を示す結果で、Royal Society Open Science に掲載された。
🔗 https://www.sci.news/biology/bumblebee-self-medication-15024.html
4.
40年間「エビの子ども」と呼ばれた化石、実は24本脚の最古級昆虫だった ― Chosha praecursor
古生物学・昆虫の起源 米国テキサス州 2026年
Wikimedia Commons | ※イメージ:長年混同されていた甲殻類 Tesnusocaris goldichi の復元図
テキサス州の3億2400万年前の地層から1985年に見つかり、甲殻類 Tesnusocaris の幼体とされてきた化石。偏光を使った再撮影で細部を洗い直したところ、パドル状の脚を24本も備えた原始的な昆虫の新種と判明し、Chosha praecursor と命名された。腹部のエラ状付属肢は、初期の昆虫が水陸両生だった可能性を示唆する。昆虫の化石記録に空く約8000万年の空白「ヘキサポッド・ギャップ」を埋める”最古の確実な昆虫”の一つとして、Nature 誌に報告された。
5.
果物が減ると、サルは狩人になる ― ヒゲオマキザルの「肉食スイッチ」が語る人類の食性進化
行動学・食性の柔軟性 ブラジル 2026年
Wikimedia Commons | ※イメージ:同種 Sapajus libidinosus(ヒゲオマキザル)
ブラジル北東部のヒゲオマキザルを2006〜2010年にのべ5,000時間以上観察した記録から、小型脊椎動物を食べた事例が281件も見つかった。獲物の半数近くはトカゲ、4分の1超はげっ歯類で、鳥やオポッサム、さらにはヘビまで食卓に上る。狩りが増えるのは果実が乏しくなる季節で、脳や内臓から先に食べるのは、少ない獲物から脂肪と栄養を効率よく得る工夫らしい。道具を使い二足で歩んで運ぶこのサルの「非常時の肉食」は、初期人類が肉食へ踏み出した道筋を映す鏡かもしれない。PLOS One に掲載。
🔗 https://www.sciencenews.org/article/monkeys-hunt-small-animals-fruit-scarce
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