🌍🐾 世界の動物・昆虫ニュース — 2026.07.15

🌍🐾 世界の動物・昆虫ニュース — 2026.07.15

新種 2件 + 新知見 3件 = 計5件


🔬 新種発見 ― 2選

1.

深海の「オオメダマ」ヨコエビ新種 ― 調査船の名を冠して、日本近海の中深層から

甲殻類(深海)西太平洋・日本近海2026

深海の「オオメダマ」ヨコエビ新種 ― 調査船の名を冠して、日本近海の中深層から

※イメージ:同科の近縁ヨコエビ Eusirus holmi実際の新種とは種が異なる。写真:Wikimedia Commons

西部北太平洋の中深層(水深数百m〜千mの薄暗い世界)から、頭の大半を占めるほど巨大な複眼をもつヨコエビの新種 Harcledo toyoshioae が記載された。ヨコエビの一群エウシルス科(Eusiridae)に属し、体長は約22mm。光の乏しい深海で獲物や仲間を捉えるために眼が発達したとみられる。種小名は採集に使われた練習調査船「豊潮丸(Toyoshio Maru)」にちなむ。まさに“オオメダマヨコエビ”と呼びたくなる深海の珍客だ。掲載誌は Systematics and Biodiversity。

🔗 https://doi.org/10.1080/14772000.2026.2659885

2.

仙台湾に現れた「サムライ・クラゲ」― 伊達政宗の三日月兜を冠した新種カツオノエボシ

刺胞動物(クラゲ)日本・宮城2025

仙台湾に現れた「サムライ・クラゲ」― 伊達政宗の三日月兜を冠した新種カツオノエボシ

※イメージ:同属のカツオノエボシ Physalia physalis実際の新種とは種が異なる。写真:Wikimedia Commons

猛毒で知られるカツオノエボシ属(Physalia)から、日本で初めて正式に記載された新種 Physalia mikazuki が誕生した。2024年7月、仙台湾・蒲生海岸に漂着した個体を東北大学の学生研究チームがDNAと形態から解析し、熱帯の近縁種とは別種と確認。浮き袋(気泡体)の形が仙台藩主・伊達政宗の兜の三日月飾りを思わせることから命名された。Physalia 属としては世界最北の記録で、温暖化で北上する海流に運ばれてきた可能性が高い。掲載は Frontiers in Marine Science。

🔗 https://www.frontiersin.org/journals/marine-science/articles/10.3389/fmars.2025.1653958/full

🧠 既知種の新たな発見・知見 ― 3選

3.

コウモリが渡り鳥を「空中で」捕らえ、食べていた ― 400年前の絵画が先に描いていた

哺乳類(コウモリ)欧州・地中海2026

コウモリが渡り鳥を「空中で」捕らえ、食べていた ― 400年前の絵画が先に描いていた

写真:Wikimedia Commons(オオヤマコウモリ Nyctalus lasiopterus)

ヨーロッパ最大級のコウモリ、オオヤマコウモリ Nyctalus lasiopterus が、夜に渡りをする小鳥(スズメ目)を飛行中に襲って食べている決定的証拠が、初めて得られた。超小型のバイオロギング装置を背負わせたところ、高度を上げて反響定位で長い追跡を行い、コマドリを空中で仕留めて翼をちぎり、飛びながら最長20分もかけて食べる様子が記録された。興味深いことに、1611年のブリューゲル(父)の絵画『空気』には、この捕食行動がすでに描き込まれていた。科学より400年早く画家が気づいていたことになる。掲載は Science / PNAS。

🔗 https://www.science.org/doi/10.1126/science.adr2475

4.

モモイロインコは「飛ぶこと」を楽しんでいた ― 飛行後に前向きになる初の証拠

鳥類(オウム)実験(動物福祉)2026

モモイロインコは「飛ぶこと」を楽しんでいた ― 飛行後に前向きになる初の証拠

写真:Wikimedia Commons(モモイロインコ Eolophus roseicapilla)

オーストラリア原産のオウム、モモイロインコ(ガラー)Eolophus roseicapilla が、機会を与えられるとほぼ必ず自ら飛ぶことを選び、飛行後に「前向きな感情」を示すことが分かった。研究チームは17羽を対象に、行動・認知バイアス(楽観度)・糞中のストレスホルモンを、飛んだ日と飛ばない日で比較。飛行後は冠羽を立てたり羽づくろいや採食が増え、あいまいな選択肢を「良い方」に解釈する楽観的な傾向が強まった。鳥の「感情」に踏み込んだ数少ない研究で、オランダ・ユトレヒト大学などが Behaviour 誌に発表した。

🔗 https://phys.org/news/2026-07-birds-enjoy-flying.html

5.

「松の香り」でシロアリを誘い出して駆除 ― 本能を逆手に取り、駆除率95%超

昆虫(シロアリ)米・カリフォルニア2026

「松の香り」でシロアリを誘い出して駆除 ― 本能を逆手に取り、駆除率95%超

※イメージ:近縁のシロアリ Reticulitermes flavipes研究対象種とは属が異なる。写真:Wikimedia Commons

森林の樹木が放つ芳香成分「ピネン(pinene)」が、シロアリの警戒本能を上書きして“エサの匂い”として引き寄せることを、カリフォルニア大学リバーサイド校の研究チームが突き止めた。乾いた木材を食害する乾材害虫イガラシシロアリ(Incisitermes minor、ウエスタン・ドライウッド・ターマイト)を対象に、殺虫剤へピネンを添加したところ、隠れた個体まで処理区へ誘い出され、駆除率が約70%から95%超へ跳ね上がった。巣の位置を正確に突き止めなくても効き、家全体を毒ガスで燻蒸する必要を減らせる非毒性の新手法として期待される。掲載は Journal of Economic Entomology。

🔗 https://www.sciencedaily.com/releases/2026/04/260420233930.htm

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